彼と私と元カレ


「おうっ」



と言った紺野の歩いた先には、理沙の拭いたボールの入ってるカゴが。



「いてっ…」



紺野の声と共にそのカゴが倒れ、拭いたボールが転がる。



その瞬間、全員の空気が止まった。



眉がピクッとなった理沙の前に、紺野がしゃがみこむ。



「すいません…マネージャー」



「あーぁ、大地のアホ…」



「結局かよー紺野も計算だろー?」



二人の部員はブツブツ言いながら帰って行った。



紺野と羽山がボールを拾うのを見て、理沙もボールの前に膝をつく。



「いーよ二人共、これは私の仕事なんだから…」



すると、羽山がボールをカゴに入れながら口にする。



「悪いな?小澤、でもさっきは止めといて良かったろ?」





< 8 / 129 >

この作品をシェア

pagetop