彼と私と元カレ
「おうっ」
と言った紺野の歩いた先には、理沙の拭いたボールの入ってるカゴが。
「いてっ…」
紺野の声と共にそのカゴが倒れ、拭いたボールが転がる。
その瞬間、全員の空気が止まった。
眉がピクッとなった理沙の前に、紺野がしゃがみこむ。
「すいません…マネージャー」
「あーぁ、大地のアホ…」
「結局かよー紺野も計算だろー?」
二人の部員はブツブツ言いながら帰って行った。
紺野と羽山がボールを拾うのを見て、理沙もボールの前に膝をつく。
「いーよ二人共、これは私の仕事なんだから…」
すると、羽山がボールをカゴに入れながら口にする。
「悪いな?小澤、でもさっきは止めといて良かったろ?」