彼と私と元カレ


隣を歩く紺野の横顔を盗み見ていると。



「…いた!」



理沙がつまづき、下駄で足を少しひねってしまった。



「どうした?足ひねった?」



「ううん、平気」



そう言った理沙の笑顔を見て、紺野は眉間にシワを寄せ、理沙の手首を掴む。



「ちょっと、こっち」



「え…?」



「ゆっくりでいいから」



「紺野くん…どこに?」



2人は人気の少ない、神社の裏に来る。



理沙を石段に座らせ、紺野が理沙の足首に触れる。



「ちょっと、触るぞ?」



「…うん」



「靴ズレとかじゃないみたいだけど、ここら辺少しひねった?」



「あ…えーっと…」



「ウソ、なしな?」



「あ…はい、その通りです」



「やっぱり…」





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