彼と私と元カレ
「足…痛かったら湿布して寝ろよ?」
「うん…」
「じゃぁ、今日はありがとな?すげー楽しかった」
「私も…楽しかった」
「そっか?なら良かった」
「うん…」
生暖かい風が2人の間に吹き抜ける。
「じゃぁ、また部活でな?」
「また…」
2人は軽く手を振り合うと、互いに背を向けた
。
理沙が巾着袋の中から、家の鍵を出そうとして止まる。
「……やだっ」
理沙はそう口にすると、巾着袋を玄関前に落とし、足を気にしながら紺野の後ろ姿を見つける。
「待って!紺野くんっ」
理沙の声に、紺野が驚いて振り向く。
「小澤っ?どうした!?」
心配そうに理沙の前に立つ紺野。