彼と私と元カレ
「じゃぁな?」
「うん、送ってくれてありがとう、気をつけてね?」
「おぅ」
理沙は紺野に手を振り、振った手をそのまま胸に下ろす。
どうしよう…言っちゃった。
告白…しちゃったようなもんだよね。
でも、今日が最後だなんてイヤだった。
紺野くんと一緒にいて、なおさらそう感じた。
伝えて良かったはず。
紺野くんと笑顔でバイバイできたもん。
ニコッとして玄関に戻る理沙。
" また誘うよ "
「ふふっ…ダメ、嬉しいっ」
そう思って鍵を出そうと、巾着袋の中を開くと、携帯画面がちょうど照らされていた。
「あれ、メールきてた?彩ちゃんかな?」
理沙がニコッとしながら中を開くと。
「…えっ…」
" こないだの続き話したい、電話できる? "
「……先輩…」
楠木からのメールに、理沙はしばらく携帯画面を見つめていた。