彼と私と元カレ


そんな理沙を見て、紺野が口を開く。



「小澤っ」



「あ…なに?」



「バニラうまそう、少しちょうだい」



「えっ…?」



すると紺野は、自分のスプーンで理沙のバニラアイスを一口取っていた。



「う〜うまっ」



「よ……良かったね?」



「うん、小澤もこっちのチョコ食べる?」



「えっ…!?」



一瞬、理沙の頭の中が混乱する。



紺野くんの、食べかけ…



紺野くんの、食べかけ…




理沙の顔が、みるみる赤くなる。



「だ…大丈夫っ」



「あ…そっか?」



紺野は、頬を掻く。



どうしよう…紺野くんのこと、傷つけたかな?




< 96 / 129 >

この作品をシェア

pagetop