ゆりかご
「そんなんじゃ…ないし‼︎」

思わず大きな声を出してしまい、クラスの注目を浴びてしまった…。

愛衣と美羽は、ビックリといった表情。

「繭子…?」

「愛衣ごめん…。彼氏が最近、あたしの友達と仲良くしてて……。彼氏は何でもないって言うけど、不安なんだ。」

愛衣と美羽が、心配そうな面持ちであたしを見ている事が、申し訳なく思えた。

「あたしの方こそごめん。知らなかったから…。話聞くくらいしかできないけどさ、いつでも言ってね。」

「ありがとう愛衣。」

「てゆかゆうちゃん遅くない?もう予鈴鳴っちゃうよ。」

美羽が気を遣って話題を変えてくれたけど、あまり歓迎できる内容ではなく、さっきの自分の態度を思い出してしまった。

「コータローと話してるの見たよ。」

知らないなどと言えば嘘になるので、さらりと答えておいた。

「マジ⁈後で話聞かせてもらわなきゃね。あの2人はどこまでいってんだか。」

愛衣は相変わらず恋愛話が好きで、興味津々だ。
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