ゆりかご
休み時間になり、愛衣はゆうちゃんのところにすっ飛んで行って、意味ありげな表情をしながら話してるのが見えた。

多分コータローとのことで、ゆうちゃんを冷やかしたりしてるんだろう。

そんな2人を確認して、あたしはうつ伏せになった。

余計な事を、考えなくていい様に。


そしてお昼休みーーーお弁当を食べるあたし達の中に、ゆうちゃんは居なかった。

「ゆうちゃん、今頃木村くんとラブラブデート中かなぁ?あ〜先越される〜。」

「デートって愛衣…売店行ってるだけでしょ?」

「そぉだけどー。ゆうちゃんのことは応援してるけど、ちょっと羨ましいなって。」

「あはは。愛衣らしいわ。」

やっぱり美羽は、あたし達より少し大人というか…精神的に落ち着いてる印象を受ける。

あたしは、そんな美羽と愛衣のやりとりを見てるだけ、参加する気にはなれない。

コータローはきっと、ゆうちゃんにもかわいいとか言ってるんだろう。

シャラシャラさせながら、歩いてるんだろうな…。

最初に、美羽が”あの子”って言ったくらい童顔なコータローの、ふんわりと可愛らしい笑顔を……ゆうちゃんにも見せてるのかな。


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