ゆりかご
「告ってはないけど…。だって、まだ好きとかそんな……。でも好きになりそうな気もしてたから…。」

「じゃぁ…ゆうちゃんかもしれないじゃん!」

愛衣の口調に、力が入る。

「違うの…。”オレには好きな子がいるから、ゆうちゃんとは友達でいたい。オレのコトは好きにならないで”って。」

「はぁ…。スゴイこと言うね、コータロー。」

美羽が感心して言った。

コータロー…。


シャラ……

「…ふ。」

「ちょっと繭子、なに笑ってんのよ?」

愛衣やみんなが、不思議そうな顔であたしを見ていた。

「あ、ごめん。コータローらしいな、って思って。」

ーーーコータローの音が…聞こえた気がした。


「ゆうちゃん!ここにいい子がいるじゃん。」

「ぇえ⁈」

言いながら、あたしの肩に手を置く愛衣と、何のことだか訳がわからなくて、変な声を出してしまったあたし。


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