ゆりかご
「繭子は木村くんと仲いいんだから、木村くんの好きな子が誰か探ってあげなよ!」

何でそーゆう展開になるのよ…。

友達の為とはいえ、積極的に面倒に関わりたい訳がない。

「え…私そこまでしてもらわなくても…。」

ほら、ゆうちゃんだって遠慮してるよ。

フツーに考えて、気になる人の好きな子なんか、あんまり知りたくないよね。

しかもゆうちゃんは、告ってもないのにフラれたみたいになってるし。

「遠慮しないの。ねっ、繭子。」

「…あたしこーゆうの苦手だから、あんまり期待しないでね。」

半ば強引に…引き受けることになってしまったあたし。


雨音は……休まず続いていた。


「繭子、大変な時に大変な事を引き受けちゃったね。大丈夫?」

5限目が始まって、美羽が小声で 話しかけてきた。

「うん、ありがと。別に全力でゆうちゃんに協力する訳じゃないから大丈夫。」

美羽の言う通り、人の恋愛沙汰に首突っ込んでる場合じゃないのが、今の心境。


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