ゆりかご
「ちょっと繭子…!ケーキ食べたらまだ見てまわるんだから、泣くと化粧崩れるよ!」

「だって…!」

美羽にバレた時はどうしようかと思ったけど、今は良かったと思えるから…。

独りで思い悩まなくても良くなった状況に安心して、自然と泣けてきたんだ。

「で、繭子はどーするの?コータローの事。」

「どうする…って、あたし彼氏いるし……。」

「じゃぁちゃんと断らなきゃ。」

「…。」

「あたしには、ゆうちゃんの事がなければ、繭子はコータローのこと好きって言ってるように聞こえたけど?」

美羽が、最後の一口を食べながら、サラリと言った。

好きーーー?

あたしがコータローの事を?

「そうでないにしても、告られて確実に意識してるよね。じゃなかったら、彼氏いるし、ってスグ断ってるよ。」

「……。」

そー…なのかな。

断らなきゃ、とは思ったけど…。


「…色々あって、自分がよくわかんない。」



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