ゆりかご
「なん…で……。」

あたしは、翔矢に言われて……。

「ごめん、オレ変なこと言った?清田さんは、長い方が似合うと思って…。」

あたしの目が…再び潤みだす。

「わーごめんって!泣かないで…ホントごめんッ!」

コータローが、あたしに向かって手を合わせる。

「ごめんね、大丈夫だから。髪の毛は、彼氏が…短いのが好きで。でも、もういいかな……。」

「そうなの?」

翔矢の中にあたしは居ないと思うからーーー何となくチラついていた”別れ”の2文字も、受け入れられる気がしてきた。

「…うん。多分、浮気してるんだよね。」

「別れるの…?」

「別れたら…拾ってくれる……?」

何を言ってんだ、あたしは。

これじゃ、ゆうちゃんに謝るどころじゃないじゃん。

「オレで良ければ、いつでも。」

言いながら、笑顔でおにぎりをかじるコータロー。

「うそ。言ってみただけ。」

「うわ、清田さん超イジワル(笑)。」

「あはは。ごめん(笑)。」

つられて笑顔になる、あたし。


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