ゆりかご
コータローが、そんな風にふんわり笑うから…。

「…ッ……コー…タロー……。」


コータローが……ゆらゆらと、あたしを揺らす…。

《でもオレが好きなのは清田さんだから。ちゃんと覚えといてよ。じゃあバイト戻るわ!》

あたしごと、揺さぶるんだーーー…。

揺れて、零れる涙が行き場を失う。

キラキラと、光り輝ける日を待ちわびているかのようにーーー。



「終わったーッ!夏休みだー!」

愛衣が、グーの手を上にあげて言った。

「テストが終わっただけで、夏休みはまだでしょ(笑)。」

美羽が、長い髪を耳にかけながらクスクス笑っていた。

「期末テストが終わったら夏休みも同然だよ!ねっ、繭子!」

「うん…そだね。」


夏休み……か。

今年は全然楽しみじゃない…ヒマを持て余しそうだし、そろそろ真剣にバイトを探さなきゃ。

「よーしっ、テストの打ち上げ行こ!美羽も繭子も早く早く!」


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