ゆりかご
あたしは、テンションの高い愛衣について行くので精一杯だった。

「愛衣、打ち上げってどこ行くの?」

「やだ繭子、打ち上げって言ったらカラオケに決まってるじゃん!」

「そ、そうなんだ〜…。」

「そうだよね、美羽!……美羽?」

会話から離れて違う方を見ている美羽の視線を追うと…そこにはゆうちゃんが居た。

ゆうちゃんと4人で行くハズだったカラオケ……もう、誘える状況なんかじゃない。

美羽はたまにゆうちゃんと話したりしてるから、気になってるのかな…。

「ごめんね、美羽。」

「繭子は悪くないって。そうでしょ美羽。」

愛衣が会話に割って入ってきた。

「うん。あたしこそごめん、行こっか。」

「…。」

そうしてあたし達は、眩しいくらい良く晴れた空の下を歩いた。


「暑い〜…夏やだー。」

「愛衣、もう着くから。頑張れ。」

愚痴る愛衣をなだめる美羽、それを無言で見てるだけのあたし。



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