ゆりかご
「いらっしゃいませ。来てくれたんだね〜。」

「…。」

営業スマイルなのか素なのか…そのふんわりとした笑顔に、あたしは何も言えなかった。

「来てくれた、って…あたしは今知ったし!」

「あぁ、清田さん達には言ってあったから。」

「ふーん。で、オススメプランはどれ?2人とも、時間とかどうする?」

あたしの気持ちをよそに、コータローと愛衣で話が進んでいく。


「みんな昊太郎くんの友達?若いね〜。」

「あ、はい。」

カウンターに戻ってきた店員の1人が、コータローに話しかけた。

「受付代わるわね。時間とか部屋の希望は終わってるのかな?」

大学生くらいだろうその女性店員が、あたし達に向き直る。

「いえ、まだ…オススメ聞いてたとこですケド。」

「ん〜…3時間以上いるなら、フリータイムがオススメかな。学割も使えるし。」

「じゃぁ、それで。」

愛衣が渋々応対していた。

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