ゆりかご
「あ…!ごめんッ!」

「気にすんなって。」


翔矢はいつも優しいーーー…そんなところも、大好き。

「ありがとう。じゃぁね。」

「うん、じゃぁな。」

あたしはケータイをベッドに放って、下に降りていったーーー。


コータロー…。

コータローの事、何で……言わなかったんだろう…。

ケータイの番号を交換したなんて言ったら、ヤキモチ妬いてくれたりするかな。

「なんだよ危ねーな。」

ボーっと階段を下ってたら、帰ってきたお兄ちゃんとぶつかりそうになった。

「あ、ごめん。おかえり。」

「ごめんじゃねーだろ、気をつけろよ。」

「…。」

翔矢から優しさわけてもらったら?そんなんじゃ彼女できないよ?


あたしは心の中で悪態をつきながら、リビングに入っていった。




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