ゆりかご
「髪の……、………いの?」

「…え?」

コータローが何か言ったけど、ちょうど騒がしい女の子集団が目の前を通り過ぎて、その声にかき消されてしまった。

「何でもない。やっぱメールにしておけば早かったな〜、って思って。」

「そーでしょ?」

あたしはにやりと笑った。

「うん。」

コータローがそう言うと、どちらからともなく歩き出した。


シャラ……

「何?今の音。」

あたしはコータローの顔を見た。

「音?」

「うん。シャラシャラ…って。」

実はコータローといるときに、たまに聞こえてくる音がそれ。

シャラシャラなのかジャラジャラなのか、金属音がする。

「あぁ、これのこと?」

言ってから制服の左袖をまくるコータロー、その手首にはアクセサリーがいくつかついていた。




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