ゆりかご
え……。

「何であたしが陸上…?すっごい運動音痴なんですけど。」

「別に陸上やらなくてもいいじゃん?」



一瞬、どきりとした。

「それ、どーゆう…。」

意味…。


聞かなくてもわかる、陸上やらない陸上部なんて、マネージャーしかない。

何でそれを、コータローが言うの…?

「コ、コータローだって陸上やってないくせに。バイトやるって事は帰宅部なんでしょ?」

あたしは少しの動揺を隠すために、突っぱねるように言った。

「部活入ったよ。茶道部。サボりやすそうだったから。」

「茶道部⁈コータローが?」

「コータローが?ってそれ、オレに失礼。」

コータローはムッとした口調だったけど、眼はふんわりと笑っていた。

「いや、サボりやすそうって茶道部に失礼でしょ☆」

あたしも負けずに言い返す。

「じゃぁ清田さんも茶道部入れば?」

「何でそうなるのよ。」




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