君と私の秘密の恋
「あの、それから・・・。KAEDEさんは、本当に・・・女性ですか?」
伺うように言われた言葉に、ハッと目を見開いた。
どうして、そんな風に聞くの?
そんな疑問、普通は浮かばないはずだよね。
だって、雑誌に載ってるKAEDEはどう見たって女の人にしか見えない。
KAEDEは雑誌にしか出ていないはずなのに。
「あの・・・」
「あ、す、すみません。こんな事言って・・・。変ですよね・・・。すみません。出直してきます」
女性は表情に影を落とすと踵を返し行ってしまった。
その背中はとても寂しげで小さく見えた。
いったい、誰だったんだろう。
KAEDEに似ている女の人。
KAEDEを本当に女の人か疑っている、女の人。
首をかしげ、私はビルに入った。
受付で話を通すと、社長室に通された。
社長椅子に座る草加さんを見て、本当に社長さんなんだと思った。