君と私の秘密の恋
私には、すごい力なんてない。
感動的なことも言ってあげられないと思う。
側にいるだけで笑顔になれるとか。
そんなことだって、ありえない。
でも、楓くんの側にいたい気持ちは。
少しでも、役に立ちたいと願う気持ちは。
きっと、誰よりも強い。
私とは違う痛みを抱えていた楓くん。
私は、きっと男の人を拒絶することで自分の痛みを示してきた。
でも、楓くんは。
自分の痛みを、苦しみを誰にも見せず心に隠し持って。
それは、きっとどんどん膨れ上がるばかりで。
苦しくて、苦しくて。
だからこそ。
―今更!今更あらわれて、どうしろっていうんだよ
その言葉に、すべて込められているんだ。