君と私の秘密の恋
「・・・初めて会ったときは、あんなにビクビクしてたくせに」
「えっ」
「今じゃ、自分から抱きしめてくるんだもんな」
楓くんが、そう言って笑う。
そういえば・・・。
私、躊躇いもなく楓くんの事抱きしめてた。
男の人が怖いこと、すっかり忘れていた。
「か、楓くんは特別だから」
「ん?」
「楓くんは、怖くないの」
ずっと前から、そうだった。
楓くんが、KAEDEだからなのか。
私が、楓くんの事を好きだから、なのか。
好きになれたことだって、奇跡みたいなものなのに。
「お前、馬鹿?そんな事言って、襲われたいの?」
妖しく光る楓くんの瞳。
ドキン、と胸が高鳴る。
「えっ―――――」
目を見開き頬を染めたその瞬間、伸びた手が私の後頭部を引き寄せた。