君と私の秘密の恋
秘密の終わり
1
私の生活も、少しずつ変わり始めていた。
「あの、坂口さん」
「・・・はい」
「あ、えと。先生が呼んでたよ」
「本当?ありがとう!」
私を呼びに来てくれたのは、クラスメイトの加藤くん。
私は、男の子に話しかけられてもビクッとしなくなっていた。
全くの初対面は相手の事がわからなくて少し不安にはなるけど、前ほど怖くはなくなった。
「すっかり、平気になったみたいね」
「うん。なんだか、世界が違って見えるよ!」
「ははっ、大げさ。だけど、確かにそうかもね」
まひろも私のこの変化を喜んでくれる。
私は職員室に向かうためまひろに一言つげ教室を飛び出した。
先生の用はすぐに終わり、私は教室に向かって歩いていた。
こうして歩いている時も、以前とは違う世界が見える。
怖がって、目を塞いでいた頃とは。
見える世界が、まるで違う。