君と私の秘密の恋
「楓くん、私ね・・・」
伝えるなら、今だ。
楓くんに。
私の、想いを。
「好きだ」
でも、その言葉を口にしたのは、私ではなくて楓くんだった。
目を見開く。
同じことを言おうとしていた私の口はポカンとあいていて。
「好きだ、梨乃。俺が辿る未来には、梨乃がいてほしい」
「楓くん・・・っ」
「辛い時も、苦しい時も、嬉しい時も楽しい時も。梨乃が側にいてほしい」
伝えたかった言葉のすべてを。
楓くんが私にくれる。
「好きだよ、梨乃」
何度も、確かめるように。
私は唇を噛んで、ポロポロと溢れだす涙をとめもせず何度も頷いた。