君と私の秘密の恋
「・・・大丈夫。私には、KAEDEがいるから」
「ん?ああ、モデルの」
私は隣に置いていた雑誌を手に取った。
その表紙には、栗色の髪のウエーブがかった長髪で、可憐にポーズを決めた一人の女の子が映っていた。
モデルのKAEDE。
年齢も、プライベートもすべてが不詳で、メディアには全く出ずモデルの仕事だけをこなしている、謎多き女の子のモデルさん。
塞ぎこんでいた私を救いだしてくれた人。
「好きだねぇ、梨乃。確かに、可愛いけど」
「昔ね、メディアとかにも一切出ないKAEDEが、一度だけ、雑誌の企画で読者のお悩み相談って言うのに答えたことがあって。私、それに手紙出したの」
「へぇ。もしかして、返事貰えた?」
まひろの問いに、私は頷いた。
へぇ、と頷きながら、まひろは静かに私の言葉を待ってくれる。
「そこに、私は今すごく辛くて、でも家族や友だちには頑張れって言われるし、強い心を持てって言われて、でもできなくて苦しいです。って書いた」
「・・・うん」
言いながら、まひろは私の頭を優しく撫でた。
一度まひろをチラリと見て、私は頷くと再び話を続ける。