君と私の秘密の恋
秘密
1
日曜日。
私は、また公園で楓くんと会っていた。
楓くんは、もう私がいても帰ったりしない。
私もまた、楓くんがいても躊躇したりしない。
自然と中に入って、挨拶を交わす。
楓くんはぶっきら棒であまり多くを語らない。
「楓くんは、何歳?」
「・・・20」
「そうなんだ。私はね、18歳」
「ふぅん」
一定の距離を保ちながら話す。
楓くんは、あまり私に興味はないみたい。
だから、私が一方的に話してる。
「今日は写真撮らないの?」
「んー」
楓くんはカメラをベンチに置き去りにして街を見下ろしている。
私はその背中にベンチから声をかける。
どうしてこんなに気になるんだろう。
大嫌いな男の人なのに。
こんなにも、気になって話したくなるのはどうしてだろう。