君と私の秘密の恋
日曜日になるのが、いつしか楽しみになっている。
他の男の人とは違う気がするんだ。
それが、なぜなのかはわからないけど。
楓くんが、私に興味がないとわかってるからだろうか。
無関心でいてくれてることが、逆によかったのかもしれない。
向けられる思いがないから。
私は、そっとカメラを持った。
ファインダーを覗くと、楓くんの背中をカメラに収める。
カシャッと音を立てる。
その音に、楓くんが振り向いた。
「なに撮ってんだよ」
「・・・へへ」
俯いて笑う。
「楓くんって、人は撮らないの?」
「・・・人は撮らない」
「そっか」
空を撮らないのと、同じ理由なんだろうか。
探られたくないことがあることを、私は身を持って知ってるから、それ以上は聞けなかった。