君と私の秘密の恋
私は、言われるまま社長さんの運転する車でどこかに連れられて行った。
楓くんは不服そうに、顔を歪ませていて居たたまれなくなる。
私のせいで、大ごとになってしまった。
きっと、楓くんの気分を害してしまった。
嫌われてしまったかもしれない。
そう思ったら、胸が苦しくなった。
「じゃあ、梨乃ちゃんは少しこの部屋で待っていてね」
社長さんはそう言って楓くんと一緒にどこかに消えてしまった。
私は、大きなビルの一室に郁美さんと残された。
「あの・・・」
「大丈夫ですよ。それより、気分は平気ですか?」
「は、い・・・。ご迷惑をかけてすみません」
「いいえ。大丈夫ですよ。梨乃さんの迷惑なんて、可愛いものですから」
「え・・・?」
郁美さんは、社長さんの秘書をしていると言ってた。
社長さんにいろいろと困らされているんだろうか。
「男の人が、お嫌いですか?」
「・・・怖いんです。怖くて、・・・フラッシュバックを起こすこともあって」
「フラッシュバック・・・」