君と私の秘密の恋
申し訳なくて、事情を軽く話す。
なにも言わないまま、迷惑をかけられない。
本当は、あまり人に言いたくない話だけど。
「昔、嫌なことがあって・・・。それから・・・」
「そうなんですね」
そこまで言って、私は黙り込んだ。
いつまで私は、怯えて暮らすんだろう。
いつになったら、私は解放されるんだろう。
触れそうになった唇。
もし、あのまま私がフラッシュバックを起こさなければ・・・。
私は、楓くんと・・・キスをしていたんだろうか。
楓くんは、どうしてあんなことを・・・。
さっきまで、思い至らなかったことに気づいた。
それでも、問うことはできない。
確かめることなんて、できるわけない。
私は、拒んでしまったんだから。
そんな資格、ないのだ。