君と私の秘密の恋



「・・・ばーか」

「えっ?」

「・・・今のあんた、男が苦手には見えねぇよ」

「見えない?」

「普通に、話してんじゃん」





私はそう言われ、楓くんに触れる自分の手を見つめる。
うん・・・。
そうだよね。


だから、おかしいの。
楓くんの側にいると、私、おかしい。

まるで、男嫌いが治ったみたいに。



まるで、普通になれたみたいに。





「不思議・・・」




楓くんに感じる、他の男の人に感じるのとは違うドキドキとか。
言葉は冷たいのに、優しい声とか。

華奢な身体とか。



それに、触れたいなんて思う私の気持ちとか。





「・・・俺も、触れてもいい?」

「え・・・?」




< 62 / 169 >

この作品をシェア

pagetop