君と私の秘密の恋
KAEDEと話せるのは嬉しいけど、私あそこで待ってなくちゃ。
「あ、あの、KAEDEさん。私、あそこにいなくちゃ・・・」
「あれ、梨乃ちゃん?」
「え、あ、社長さん!」
運転席から顔を覗かせたのは社長さんだ。
KAEDEさんの事務所の社長さんだもんね、いてもおかしくない。
でも、社長さん自ら運転手するんだなぁ。
「あ、あの。私、あそこで楓くんを待ってるんです。あ、えと楓くんっていうのは瀬賀楓くんっていう男の人で・・・」
「・・・知ってるけど、なんか用?」
「え?あ、知りあいなんですか?あの、携帯を・・・」
私は拾った携帯を取り出した。
その携帯をKAEDEが奪う。
あ、とそれを視線で追う。
「あ、あの」
「サンキュ」
「え・・・?」
なんだか、混乱する。
いつもよりKAEDEの声が低い気がして。
その声と、楓くんの声が重なる。