君と私の秘密の恋



「あ、あの・・・」

「はぁー。俺が、瀬賀楓なの」

「え・・・、ええ!?」



一瞬聞き流してしまいそうになった衝撃発言に声を上げる。
今、今なんて?

う、ウソ!?




「KAEDEが楓くんで、楓くんがKAEDE?え?ええ?」

「ったく、ばらすつもりなんかなかったのに」




KAEDEの姿で悪態をつく。
その姿は、楓くんそのものだった。

まったく、気が付かなかった。


確かに、楓くんは男の人にしては華奢な身体をしていたし、中性的な顔だと思う。





「そっか・・・。だから、メディアには出ないんだ・・・」




納得してそう呟く。




「どうしたって声は変えられねぇし。女の口真似なんか、気色悪いことできるか」




そう吐き捨てるように言う。




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