君と私の秘密の恋


楓くんは、どうしてそんな風に思うんだろう。
なにかを、抱えているんだろうか。



「仕事、忙しい?」

「・・・まぁ、ぼちぼち。決まったメンツでしか仕事しないからな」

「そっか。ばれたら大変だもんね」

「バレることより、仕事ができなくなることの方が困る」




そう呟いた楓くんの表情は真剣で。
それ程、仕事が好きなのか、それとも他に理由があるのか。

わからないけれど。




「あんたさ・・・」

「はい」

「KAEDEに救われたって言ってたけど」

「・・・あ、はい」




顔を上げる。
こちらを向いた楓くんと目が合った。

そっか・・・。
KAEDEは楓くんであって。
私を救ってくれたのは、楓くんってことになるんだ。





< 85 / 169 >

この作品をシェア

pagetop