君と私の秘密の恋
「私・・・、男の人が苦手になった原因が過去にあって。辛くて、苦しくて・・・。でも、前を向かなきゃ、進まなきゃって・・・」
唇を噛みしめ目を伏せた。
思い出すと、やっぱり苦しい。
「辛くてどうしようもなくなって・・・。それでも誰かにすがりたくて、一度、雑誌の企画でKAEDEのお悩み相談っていうのがあって。それに、出したんです」
「・・・ああ。一度どうしてもって言われて文章ならってやったな」
「はい。私の悩みが選ばれて・・・。そこで、頑張れなんて、言われなくてもわかってる。苦しいのは、頑張ってるってことだからって。誰かと比べるんじゃなくて、自分の中で少しでも進めていたらそれでいいってそう言ってもらえて・・・。真っ暗だった世界に光がさした気がしたの」
だから、楓くんは私を救ってくれたの。
こうして、直接その想いを告げられてうれしい。
怖い思いは簡単には消えなかった。
それでも、少しだけ前に進めた気がした。
「だから、楓くんにはありがとうって言わなきゃね」
そう言って笑った。
楓くんは、そんな私を見て眉を顰めた。