そしてピエロは笑う

「…で？何であんたが朝からここにいるわけ？」

リビングに着くなり、早苗は眉間にしわを寄せ入口の壁に寄りかかり腕を組む。

視線の先には、テーブルに座って空になったお茶碗を自分の母親に渡す、幼馴染で隣に住む佐々木　陵がいた。

「…腹へったから」

「いや、おかしいから。自分の家で食べなさいよ」

即ツッコミを入れる早苗。

「…早く食べろよ」

おかわりしたお茶碗を受け取り、陵はまだ入り口で自分を睨む早苗に声をかける。

第三者が見たらどっちの家か分からないぐらい陵はなじんでいた。

幼馴染だからと言えばそれまでだが、陵は昔から月に何度かこうして早苗の家で朝食を食べていくことがある。

夕食なんかになると週の殆どになる。

「言われなくても食べるし」

そういうと早苗は自分の席についてご飯を食べ始めた。