【短編】Love agains
「す、すみませんっ…」


 どうして流れていたのかはわからなくて、慌ててハンカチで拭っていました。


「ごめんなさい、お気持ちは嬉しいんですが…」



 答えていて気づきました。



 誠二郎さんもこんな気持ちをしていたのかな?

自分のわがままだったのかもしれない。



 一緒にいたいと思う気持ちは、お互いが通じていないとこんなにもつらいなんて。



 考えれば考えるほど、涙は溢れるばかりでした。


「そ…そう。…うん、ありがとう」


 そういって彼は走っていってしまいました。



 その場に残されると、ピンクの絨毯に手をついて、止まらない涙をひたすら流し続けていました。



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