【短編】Love agains
 膝を突いて、わざわざポケットから抜いたハンカチで拭いてくれました。


 少しだけ残る洗剤の香り。


 彼の温かさに触れた気がして、一気に体から力が抜けてしまいました。



 どうして…?


聞きたくても声がでず、ただ彼を見つめていた。



「カンナ」


 いつも寂しそうにしていたのに、そこにはとても優しく強い瞳がある。


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