【短編】Love agains
一杯だけ飲んで帰ろうと思っていたのに…!
腕時計を見るとすでに22時を指すところだ。
すっかり話し込んで、弟のことを忘れてしまっていた。
荷物を持って、テーブルに一万円札を置き立ち上がる。
思わずふらっと体勢を崩してしまった。
「大丈夫!?」
いつの間にこんなに飲んだのか、足はふらついていた。
急に腕を掴まれたからか、その力強さにあたしの心臓は強く体を打ち付けるように動き始めた。
「あ、ああ、ごめんなさい…」
ぱっと離れて荷物を持ち直した。
高橋くんはそんなあたしを見て、フッと笑った。
「送るよ」