【短編】Love agains
「着いたよ」


 体をゆすられて、なんとかタクシーから降りた。

千鳥足のあたしはなんとか自分の部屋に向かう。


「こ、小林さんっ!?」


 後から追いかけらてきた高橋君は、今にも座り込みそうなあたしの肩を担いでくれた。


「いろいろ、ごめんねぇ~…」


「はいはい」


 いつの間にこんなにお酒に弱くなったんだろう?


なんてちょっとあたしらしくも無く弱虫になってた。



 弟が部屋から出て行って、なんとなく寂しかったんだ。

そんなあたしを諭すかのように、優しく答えてくれる高橋くん。


「部屋、どこ?」


 マンションの前まで来ていたので、あたしはゆっくりと指をさした。


 染み込んだ体のクセのおかげでなんなく正面玄関をくぐり、誰もいないあたしの部屋に向かった。



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