【短編】Love agains
 聞こえてしまいそうな程、心臓が音を立てながら、最近はまっているローズヒップの紅茶を入れた。


 ちょっとは、女の子らしく見えるでしょ?


 彼はソファに座っていたけれど、あたしはなんとなく床に座った。

小さなローテーブルには2つのティーカップ、やけに心臓を高ぶらせる。



 さっきまでの彼とは違って、なんにも話さなくなるからつい見つめてしまった。



 確かに顔はかっこよくはないし、仕事の力量もあたしとおんなじ位だし。




 …だけど、なんでだろう。

こんなに惹かれてしまうのは……。



 あたしの視線に気づいて、彼は一瞬驚いてそのまま見つめあった。


高橋くんもゆっくり床へと移動してきて、顔が近づいた。



 このままじゃ、流されちゃう。



 そんな不安と期待。





 吐息がかかった、その瞬間。


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