【短編】Love agains
 久しぶりに会った弟は、カジュアルな少し大人目の服で、ちょっとだけイイオトコに育ってる気がした。


 そしてはっと思い出した。



 今日は、弟が帰ってくる日。

だから早く帰って、家の扉を空けておく予定だった。



 靴を乱暴に脱ぎ捨て、ボストンバックを抱えて部屋に入っていく。



「ったく、俊介たちと会う前に一度寄ったのにいないし!!」


 プリプリした弟を止めるべく、慌てて後を追う。


 だって、リビングには高橋くんがいるんだもの。



「ちょ、ちょちょちょ、千尋…!」


 あたしの呼びとめは一歩遅くリビングのドアは開かれた。


「アホねぇ……ちゃん…」



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