【短編】Love agains
 今のあたしには他に説明できなかった。




 さっき、いってくれればよかったのに。

…『スキ』って。




 高橋くんの顔がみれず俯いた。

なんとなく、見るのが怖かったんだ。






「……帰るね」


 さっきまでの優しい声とは違った高橋くんの声にはっとした。


スーツの上着をさっと着ると、かばんを持って玄関に向かってしまっていた。





 なんてあたしはアホなんだ。

言ってくれれば、じゃなくて、あたしが言えばいいのに。



 キッカケは呆れられるかも。

でも高橋くんじゃなきゃ、きっと、だめなんだ。

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