【短編】Love agains
「俺は川原敦、K大の3年生」


 ようやく靴を脱ぎだした俺に、彼女は目を細めて笑う。



「あたし、記憶ないの。名前付けて?」



 記憶喪失なんて、どっかの映画や本の見すぎじゃないかって思うよ。


 ……妄想の世界の住人か…?



 でも、揺るがない彼女の瞳に納得していた自分もいた。



「…ネコ」


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