【短編】Love agains
『そろそろ終わるから、明日には帰れると思うんだ』


 その言葉に俺はズキンと胸が痛む。


俺とネコの生活が終わってしまうことが、宣告されたのだ。



『いろいろありがとうな』

 すこし照れたような裕一の声を最後に、プチっと通話が途切れた。


 普段ならいいそうにない礼のたった一言が、後ろ髪をおもいっきり引かれる。

どこかでわかっていたはずなのに、目の前のぬくもりに俺もネコも溺れていただけだったんだ。


 呆然としてしまった俺に、ネコは寄ってきた。


「あっちゃん?」


 不思議そうに見つめるネコに、俺は頭を撫でてから抱きしめた。


「ごめん…、なんでもない」


 俺に答えるかのようにネコも腕を回して、彼女なりの精一杯の力で抱きしめられた。


 それが嬉しくて、同時に悲しかった。


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