【短編】Love agains
 新年が明けてから誠二郎さんは帰宅がいつもより早くなりました。


理由は分からないけれど、なんだか嬉しそうでした。

日に日に、声はかけることすらできなくなっていったのです。







 でも。

とある日を境に、崖から突き落とされたような表情を見せるようになりました。



「カンナぁ、先輩の卒業式の写真できたよ!」


 巴さんは1つ上の学年にお付き合いしている方がいます。

その先輩も昨日で卒業で、巴さんは目が腫れるまで泣いていました。


 昨日とは裏腹に、とっても嬉しそうに、現像した写真を見せてくれました。


 そこにはすこし目の赤い巴さん。
繋がった手の先には、彼が花束に囲まれて微笑んでいました。


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