君と私の境界線 (仮タイトル)
きっかけ
”バサバサバサー”
学校の昼休み
私の後ろの方で何かの紙の束が落ちる音がした
足元にスッと紙が滑ってくる
その紙が滑ってきた方を見たら眼鏡をかた一人の女子生徒がため息付きながら散らばった紙を集め出した
見るからに一人じゃ運べそうにない量だ
周りの人達は気付いてるのか気付いてないのか誰一人として手伝う人がいない
だからその時自然と手伝った
「あの、、、手伝いましょうか?」
自然の流れで声かけた
「…いい。自分で運べるわ」
彼女は目も会わせることなく呟くように言った
顔も彼女の長い髪が邪魔してよく分からない
でも口は笑ってないから不機嫌なのは確かだ
「いえ!手伝います!この量は大変ですよ!職員室ですよね」
彼女が持とうとした分の半分を取り上げるようにして私は持った
「…人がいいって言ってるのに」
彼女はボソッと呟く
その言葉にムッとしたけど
でもほっとけなかったのも事実
その言葉は耳に入らなかったことにして運んだ