君と私の境界線 (仮タイトル)
職員室までほんの少し
でも何も喋らないし、顔の表情も変わらない
ただ長い髪が歩く風になびくだけ
その後ろを私は付いていく
静かな時間が私には少しだけ長く感じた
-なんかこの状況嫌だなぁ 手伝うんじゃなかった
という後悔が押し寄せてきた
でも自分が”手伝います”って言ったんだ
自分にそう言い聞かせ
なんとか無事に職員室へ届けれた
「それじゃ、私はこれで」
そう言って彼女から早く離れようとした。
するといきなり
「ありがとう。実は助かったわ。押し付けられて困ってたの。
またね、小野寺 綾さん」
無表情の目鼻立ちハッキリした顔。
私の顔を見て言った
その時やっと顔を見て私は青ざめてしまった
「大丈夫よ。小野寺さん。さっきの廊下は一年生の前だったもの。二年生は誰も見てないはずだから」
そう言って彼女は教室の反対方向へ歩いて行った