すれ違い*Pure Love《1》
「ただいまぁ〜」
家に入ると部屋に直行した。
買ってきた材料を置いてクッションを抱きながら下に座る。
材料を見つめていると思わずため息が漏れた。
なんか張り切りすぎたかな?
よく考えればバレンタインまでまだ時間あるのに。
やっぱ今井クンにあげなきゃかな?
迷惑じゃないかな?
たとえ叶わないってわかりきっていても、どんなにみんなに頑張れって応援されても。
やっぱりフラれるのは怖いし、この片想いに終わりがきてしまうのがイヤだ。
フラれたら想い続けることを止めなければいけない。
だったら告白なんてしたくない。
それが本音だった。
バレンタインまで後四日。
前日には作らなきゃいけないことを考えると、どうしようか迷っている暇なんてなかった。