すれ違い*Pure Love《1》
キーンコーンカーンコーン
「起立、礼。」
「「ありがとうございました。」」
みんなの気の抜けた声が響き、授業は終わった。
私は席から立つこともできず固まっていた。
「お〜い、梨々〜」
名前を呼ばれてビクッとする。
「な、何!?」
「……大丈夫?」
「あ、うん。平気。」
心臓は爆発寸前。
全然大丈夫じゃない。
頑張ってみるなんて言わなきゃよかった…
そう思った瞬間、今日の朝弓菜に言われた言葉が頭に響いた。
“後悔しないなら”
後悔しないなら…
後悔しない。
わけないよね…
「私、行ってくる…」
小さな声でそう言うと、私は教室を出た。