すれ違い*Pure Love《1》
待ち続けることに堪えきれず、携帯を取り出すと早飛に電話した。
しばらく鳴り響く呼び出し音にどんどんイライラが募る。
鳴り続けていた呼び出し音が止まると、早飛の返事を待たずにしゃべりだした。
「おい、早飛!!何やってんだよ。早く来いよ。」
何の反応もない。
おかしいと思いながらも俺は言葉を続けた。
「瀬川に会いたくねぇの?」
瀬川なんかいないけど。
でもそう言えばちょっとは何かしゃべるんじゃないかって。
そう思って嘘ついた。
「聞いてんのかよ?」
返事が返ってこないことに少しイライラして、俺は責めるような口調でそう言った。
するとまた沈黙が続いて、俺は諦めて早飛がしゃべり出すのを待っていた。