すれ違い*Pure Love《1》
只今、3限目の英語の授業中。
珍しくボーッとしていた瀬川が先生に怒られ、早飛が反射的に目を向ける。
が、すぐに俯きため息をつく。
朝から早飛の機嫌は最高に悪い。
全ては俺のせい。
俺が瀬川から義理チョコを貰ったということは、早飛にとっては相当なことだったらしい。
話し掛けても適当に相づちうつだけ。
うわの空。
一言で言えばそんな状態。
まさかこのくらいで早飛が落ち込むなんて思ってなかった。
でもまぁ、そのうち本命を貰ってご機嫌で帰ってくるだろう。
俺はそう軽く考えていたんだ。
まさか、自分がしたことが、叶うはずの二人の恋を壊すことになるなんて思いもしなかった。