すれ違い*Pure Love《1》
「梨々…?」
優が心配そうに私の顔を覗き込む。
眉がハの字に垂れ下がり、何だか変な顔だ。
「ハハッ、優変な顔〜」
私がそう言って笑うと、優は呆れたように顔を歪めて私を見下ろしてきた。
「もぉ!!心配してんのに。」
「笑わせようとしたんじゃないの?(笑」
優の真似をしながらそう言うと、拗ねたように口を尖らせそっぽを向いてしまった。
「もういいもん!!」
「嘘だって!!ありがとね。」
優しく笑った私に、優は無邪気な笑顔を返してくれた。
本当はね?
大丈夫なんかじゃないんだよ?
辛いんだよ。
もうフラれちゃったのに、今さら隣の席なんて…
怖いんだよ。
隣にいたら、もっと好きになってしまいそうで…